こんにちは。バッチャンです。
突然ですが、『信用スコア』って聞いたことありますか?言葉通りなら、まるで人間が点数にされているようですね。
と思っている方に向けて書きます。中国やアメリカを中心にLINE PayやPayPayなどモバイル決済の後、流行するだろうと言われています。
今のうちにザックリ把握しておくと、流行にもついていけますし、ビジネスにも活用できるかもしれませんね!
実はもう信用スコアは名だたる日本の企業も続々と参入してきているのです。今回は信用スコアについてわかりやすく解説と具体例をご紹介します。
この記事を読めば、信用スコアのメリット、デメリット、これからの未来が予測できると思います。
目次
信用スコアとは
結論から先に言ってしまうと
ココがポイント
信用は友達や恋人などの近くの相手との間だけに生じるものではありません。
初めて会った人に社会的な信用を表すことは難しいです。
例えば、若者や海外人労働者、フリーランスで働く人などが苦しんできました。
信用を数値化して良いかどうかと議論になることも多いですが、これまで信用という形がないものを比較していたために、客観的な数値化が必要だと言われてきました。
誰がどのように信用スコアを決めているのか
スコアとなれば、誰がどのように決めているのかという点が大切になってきます。
これまで融資の際には、銀行員などの人間が相手の信用度を決めていました。
そして、人の信用は人以外決めることができないと考えられてきました。
しかし、信用スコアはAI(人工知能)が、複合的な要素で判断します。
複合的な要素とは、年齢や性別、学歴、年収、家族構成(子供が何人いるのかなど)、持ち家かどうか、職業、会社規模、他者との関係などが基本です。
信用スコアの種類によっては、毎日の運動、学習時間、睡眠、家計簿など、自身のあらゆる情報、行動を記録し、スコアが出る場合もあります。
これから紹介する中国のアリババという会社では、資産(貯金)、クレジットカード履歴、購買行動履歴、犯罪履歴もスコアに影響します。
そして、大事なポイントとしては、AIは将来性まで加味してスコアリングをします。
アリババと政府が組んだ監視社会
中国では、信用スコアが世界で一番発展していると言われています。
特に中国の『アリババ』と言う会社を聞いたことはありませんか?
一企業であるアリババが中国政府と密接な関係にあることがこれまで報道されてきました。
アリババはモバイル決済においてトップシェアにある「 Alipay(アリペイ)」を開発しているIT会社です。
そのアリペイのアプリに搭載されている機能の一つが「芝麻信用」です。
波紋を起こす芝麻信用とは
中国政府は14年にこの信用スコアのプロジェクトを開始し、20年までの全国展開を予定しているそうです。
そのプロジェクトのメインがモバイル決済で絶大なシェアをもつアリババのゴマ信用ということなのです。
一応、中国政府は個人を採点するだけでなく、民間企業や政府職員の業務なども評価の対象とする計画を立てています。
芝麻(ゴマ)信用は、最低が350点、最高が950点の間で点数がつけられます。
ただ、このゴマ信用の点数の付け方に驚くようなニュースがたくさん出ています。
ゴマ信用の点数の付け方に疑問を呼ぶ声も
ここではいくつかゴマ信用についてのニュースを紹介します。
「うそっ!?これほんと?」という記事ばかりでした。
公共サービス
芝麻信用のスコアが高ければ、ホテルやレンタカーなどで頭金の支払いが免除されたり、低金利でローンを組めたり、賃貸物件の契約で敷金が不要になったり
芝麻信用のスコアが650以上の来院者に1,000元(約1万7,000円)の割引が与えられ精算される。
一方で、「罰則」として、交通機関や公的サービスの利用に制限がかけられる。
公共交通や公共サービスの利用料を払わない、SNSで嘘の商品レビューや口コミを投稿する、ホテルを予約したのに連絡なしで勝手にキャンセルすると、200ポイントが引かれる。
また非合法の美容整形手術などに携わった医師も、スコアが下げられる。
ゲームプレイも信用スコアに影響
中国で人気ゲーム「カウンターストライク:グローバルオフェンシブ」(アメリカ発のシューティングゲーム)はアカウントを作成するには身分証明書のほかにゴマ信用のアカウントが必要です。
さらに、ゲームプレイ内でチートツールを使っていることが発覚すると、スコアが減点されるそうです。
高信用スコアは出会いも豊富!?
中国の大手マッチングサイト「珍愛網」は、ゴマ信用で高スコアをもっていれば優先的に相手を紹介してもらえる機能があります。
同様のケースで「百合網」では、ユーザーが同意すればプロフィールにスコアを表示できる。
事件例として、アリペイの中の「サークル」という機能が存在します。(コミュニティグループみたいなもの)
一部のサークルは「女性限定」で公開されていましたが、ゴマ信用のスコア750を超えていれば、男性でも女性限定サークルに投稿された写真にコメントを付けることができるシステムが採用されました。
ただ、これは性的関係を求めるコメントばかりだったので、売春だとしてサークル機能閉じたそうです。
日本での信用スコアについて
ここまで中国における信用スコアについて紹介して来ましたが、日本では信用スコアの波はどれほど来ているのでしょうか?
その影響とは?
信用スコアの覇権争い
「Yahoo!スコア」「LINEスコア」「ドコモレンディングプラットフォーム」「J.Score(みずほ銀行・ソフトバンクの合同スタートアップ企業)のAIスコア」など、それぞれの企業が覇権争いをしている状況です。
中国と違い、国として信用スコアを推し進めているわけではないので、ペナルティなどはありません。
特典のみです。ある意味ポイントカード状態とも言われています。
しかし、まだ特典自体が微妙なところばかりなので、現在は覇権を握っているわけではないようです。(LINEとYahoo!が合併したことで変わるかもしれませんが。。。)
信用スコアで審査内容の拡張!?
日本として信用スコアの導入で変化が予想されていることは、金融機関などのこれまでも審査があった分野です。
すでに金融機関などでクレジットスコア(個人の信用力)をもとに信用度を人間が審査していますが、今後は信用スコアのようにAIがかつ、購買履歴などの素材の審査の内容が拡張される余地もあるだろうと言われています。
信用スコアはこれまでよりも、きめ細かく個人の信用度を測るサービスなので、これまでよりも有利な条件で融資を受けられる人が多数出てくると予想されます。
特に日本も終身雇用の時代ではなく、フリーランサーの人が増える点において信用スコアの需要が上がる。
信用スコアのメリット
ここまで信用スコアへの悪いイメージがついてしまったかと思いますが、信用スコアを導入することで社会全体へのメリットは何なのかをまとめます。
良い行動を余儀なくされる
信用スコアの導入によって、社会全体が良い行動をするのではないかと言われています。
SNSも監視されていますので、炎上やフェイクニュース・デマなどは起きることがないだろうと予想されます。
信用の可視化
これまで若者、外国人労働者、フリーランスなど、信用を表せなかった人たちが働きやすくなると思われます。
終身雇用がなくなりかけている現代の日本へ影響してくる可能性があります。
この可視化によって、多様な働き方や人材が生まれるのではないでしょうか。
プライバシーの保護
これまで相手に信用を表そうとした場合には、「年収」「職業」「家族の有無」など、ほとんど個人のプライベートな情報を相手に開示しなければ信用を獲得できませんでした。
信用スコアを導入すれば、個人のデータの集合体であるん信用スコアが信用の証となるため、詳細なプライベートを守ることができます。
つまり、スコア以上のプライバシーを守ることができるのです。
(企業側)採用の労力の軽減
企業においてもメリットがあります。
信用スコアを導入することで、採用試験や面接における人件費や時間などを軽減できることが考えられます。
採用試験を受ける側は、試験に向けた準備も必要ありません。
信用スコアはその人自身のこれまでの行いを数値にしたものですから。
信用スコアのデメリット
一方のデメリットについて考えてみましょう。
信用スコアの基準に不安
信用スコアで算出されるAIの基準が不透明や欠陥であることに不安があることは大きなデメリットでしょう。
ただ、逆に透明にしてしまうと、抜け道が出来てしまう恐れがありイタチごっこになるため、しょうがないとも言えますが。。。
個人情報の流出の恐れ
信用スコアは「年収」「職種」「家族構成」など様々なデータを統合して、スコアを出します。
ただこのスコアを扱う会社のセキュリティによっては、特に鍵となるような重大な個人データの流出してしまう恐れがあります。
格差や差別に繋がる
信用スコアは生まれから常にスコアの対象になります。
私生活そのものに評価がつけられるというのは、まさしく監視社会です。
そのため、過去に犯罪を犯した人などが仮に反省をしたとしても、ゼロリセットがしにくくなることが考えられます。
ということは、その当事者だけでなく、家族や子孫にも信用スコアが影響することになってしまいます。
生まれてきた子どもなどの周りの人間までも信用のない人間かもしれないと疑われてしまうのです。
これは生まれの差別や格差に繋がるのではないかと考えられます。
ストレス発散ができない
監視社会になってしまうと、ストレス発散する場面が無くなります。
SNSの裏アカウントやゲームのチート、異性との関係もスコアに影響を与えるということは、常にどこで何をしていても善人でなければならないということになります。
はけ口がなくなってしまうことは本当に良い社会になるのか。という議論は途絶えません。
企業の独占化
営利企業が信用スコアを管理する場合には、アリババのように一つの企業が力を持ちすぎると、全ての行動がその企業の思うように動かなければ、スコアに影響してしまいます。
自由の侵害になる
「ゲームで不正をすること」「異性との関係がふしだら」「嘘かもしれない口コミ」
これらは全て法律では、グレーゾーンです。周りに被害がなければ捕まることはありません。
ただ信用スコアにおいては、その人のモラルが大切になってきますから、「嘘かもしれない口コミ」は自ずとできなくなります。
表現の自由が決められている日本では侵害していることになるのではないかと考えられるのです。
発信、行動、ついには感情までも一つの方向に向けなければならない社会はどうでしょうか。
まとめ
ここまで信用スコアについて事例を元に解説をしてきました。
中国は凄まじく信用スコアが使われていますが、日本はどうなるでしょうか。
個人的にはモバイル決済の波といい、そこそこまでは来るとは思いますが、中国ほどの勢いは感じないですねぇ。
もっと詳しく知りたいぞという方はこちらの方が面白かったです。
モバイル決済や信用スコアだけでなく、もっと広くITと日常が結びつく未来について書いてあります。私はこういう本を読むと「将来楽しそう」とワクワクしちゃいますね。笑
みなさんからの意見や感想も聞きたいので、ぜひコメント欄にお願いします!!